イベントレポート「PayPay Accelerator Program LIVE ~PayPayプロダクトチームによる開発者向け説明会~」

イベントレポート「PayPay Accelerator Program LIVE ~PayPayプロダクトチームによる開発者向け説明会~」

今日は、オンラインイベント「PayPay Accelerator Program LIVE ~PayPayプロダクトチームによる開発者向け説明会~」のイベントレポートをします。PayPayで実際にプロダクト開発を行っているAmitさんにお話を伺い、その内容をまとめています。

11月25日(水)19:00から、第三弾のイベントとして「PayPay Accelerator Program LIVE 第三弾!〜中国におけるミニアプリ事例紹介〜」も行います。
ご興味ある方はぜひ以下のリンクからお申し込みください!

https://zoom.us/webinar/register/WN_TaEAH0ZbSw-ZEx_02qROsw

イントロダクション

はじめまして、PayPayのプロダクト部門でオンラインプロダクトを担当している、Amit Bhasinです。決済との連携部分をリリース初期から担当しています。以前は、Paytmでウォレット機能の開発や、起業の経験があり、インドでライドシェアサービスの立ち上げをし、起業した経験もあります。

自己紹介

今日ご紹介するPayPayミニアプリプログラムは、すでにDiDi、Uber Eats、PayPayフリマを始めとするサービスを提供しています。私たちがサービス開発するにあたって最も重要視しているのは、安全な決済システムを提供することです。このエコシステムを誰でも簡単に利用できるようなサービスを目指して、ミニアプリの開発をしています。このPayPay Accelerator Programではスタートアップと世界一のサービスを作り、3,300万人を超えるPayPayユーザーに、皆さんが開発したサービスを利用してもらうのを理想としています。

画像2

PayPay Accelerator Programには、大きく三つのポイントがあります。
まず、これは3カ月のアクセラレータープログラムで、YJキャピタル,East Venturesがビジネス面のサポートをし、PayPayからはテクニカルサポートを行います。
このプログラムの最大の目標は、プロダクトをPayPayアプリ上でリリースし、一気にサービスのユーザー数を伸ばすことです。

プログラムについて

このプログラムの最大のメリットは、PayPayの3,300万人以上のユーザーに、スタートアップの皆さんが一気にアクセスできるところです。

3300万人のユーザー基盤

ユーザー獲得はサービスの成長において重要かつ、課題となりやすい点です。ユーザー拡大と、ユーザーのニーズをつかむことは、卵が先か、鶏が先かの関係にあると言えるでしょう。PayPay Accelerator Programではユーザー基盤をPayPayから提供することで、起業家はユーザー課題の解決にフォーカスすることができます。

鶏卵

では、ここからは、ミニアプリ開発について紹介していきたいと思います。

ミニアプリ開発について

どのようにミニアプリを開発するのか?
どのようにすればミニアプリを開発できるのか?という疑問は、とても簡単に解決できます。ミニアプリは簡単なweb技術で開発が容易です。HTML、CSS、JavaScriptで簡単に開発できるため、モバイルのウェブサービスを作ることができるなら、誰でも作成することができます。決済基盤などもあるため、短くて数日でサービス開発が可能です。

画像6

バックエンドは必要なのか?
ほとんどのケースで必要になります。その理由は認証が必要であり、そのためにバックエンドが必要となります。どんな言語でも対応でき、皆さんの好きな言語で実装することが可能です。

提供機能は?
ミニアプリ上での決済や、残高の表示、チャージの促進、ネイティブペイメント機能、通知機能、金額のブロック機能(例えばECなら、PayPayの残高などの金額をブロックし、実際に出荷したタイミングで決済が完了されるようにするなど)、HTML5の位置情報などを提供しています。
これ以外にもたくさんの機能が実装されています。スタートアップの皆さんが必要な機能を作成することも可能ですので、サービス開発に十分なサポートを行っていければと思います。

ミニアプリの機能

各種機能はすぐ使えるのか?
ユーザーにミニアプリを利用してもらうためには、ユーザーの同意を得てサービスを提供する必要があります。
例えば、ユーザーの残高が知りたい場合は、ユーザーにリクエストを行い、ユーザーが許諾し、そこではじめてミニアプリに情報が共有され、そのデータを取得することができれば、機能が利用可能になります。パーミッションを取得するための仕組みは簡単なので、ぜひ使ってください。

パーミッション取得について
ミニアプリを開くと、このような許諾画面を表示し、この画面で承認が得られれば、ユーザーの情報が取得可能になります。

パーミッション取得1

パーミッション取得の仕様
パーミッション取得は標準的な機能で実装されています。ミニアプリにはJS function機能があり、「pp.requestPermission」というものがあります。それをユーザーが確認すると「成功」という形になります。

パーミッション取得2

決済機能の実装
PayPayではユーザーが直感的に決済できる機能をミニアプリに提供しています。ユーザーが注文を行うとハーフシート(下図左から2枚目、Payment内の白枠)が表示され、ここで支払いを押すと、PayPayの残高支払いに遷移します。ユーザーの残高が足りない場合は、このUIの中でチャージの画面に遷移します。そのため、ユーザーはミニアプリから離脱せずに支払いを完了できることになります。
支払いプロセスを100%管理ができるので、ユーザーの離脱が発生せず、確実にコンバージョンすることを目指しています。

決済機能

決済機能の仕様
このリクエストは非常に簡単で、「make payment」と呼ばれています。ハーフスクリーンを呼び出すために、注文内容、支払いID、金額をユーザーに表示しなければなりません。また、注文の詳細情報などもユーザーの決済履歴の閲覧に必要となります。それ以上の情報は任意となりますが、ユーザーの内容が分かるようにしたのであれば、ハーフスクリーンに表示し、決済を行うことができます。

決済機能2

チャージ機能の実装
チャージ機能の体験も一般的なもので、ミニアプリ画面内でハーフスクリーンをチャージ画面から開き、チャージ金額を選び、クリックすることで選択可能です。これも、とても簡単なコールで実装可能です。

チャージ確認

位置情報の確認
位置情報は、HTML5の機能を必要とし、標準のGeolocation APIを利用します。

位置情報

ここまでが大まかな説明になります。これ以外にも、通知機能やサーバーからサーバーへの決済機能、ウェブアプリのミニサイトもありますので、資料に関しては、そこからご確認ください。

皆さんの素晴らしいアイディアを楽しみにしています。エントリーをお待ちしています!

Q&A

・起業家時代のライドシェアサービスはどんなサービスだったのですか?
簡単に言うと、Uberのようなものです。位置情報を共有し、リアルタイムでチャットを使い乗車し、決済も行えるサービスです。Facebookの友達や、提供者など、乗る人と運転する人が信頼関係を築いてサービス提供が成立するのか、などを見ながらサービス開発を行っていました。

・ネイティブペイメントとは何でしょうか?
ネイティブペイメントとは主にサーバーからサーバーのフローでの決済のことを指しています。決済はモバイルアプリから発生しており、支払い時に表示されるハーフスクリーンから「支払いボタン」を押したのち、バックエンド側のミニアプリが表示されたまま、決済が完了されます。ユーザーはストレスなく、決済を完了させることができます。
参考:ネイティブペイメントについて

決済機能

・BtoCのサービスだけが対象でしょうか?BtoBtoCのサービスは参加可能でしょうか?
良いアイディアであれば、BtoBtoCでもぜひ申し込んでいただきたいです。

・自社のサービスと同じアカウントでミニアプリを利用できるようにしたいのですが、ユーザーの電話番号やメールアドレスをPayPayから取得できますか?
携帯番号とメールアドレスの情報を取得する方法はありますが、特定のユースケースが必要になります。例えば、車をライドシェアする場合に、タクシー運転手とユーザーが連絡を取り合わなければならない、など。

・サブスクリプションのような、定期決済はAPIで可能でしょうか?
サブスクリプションの決済機能はすでにあります。ちょうど連携中のタイミングなので、興味のある方には公開可能です。

・ほかのユーザーへ送金する機能は、他のアプリから呼び出せますか?
P2Pの形式で他のユーザーに送金する機能は実装していませんが、ユースケースがあればぜひ一緒に考えていきたいと思います。

・PayPayのアプリからURLスキームを利用して、他のアプリを立ち上げることは可能でしょうか?
可能です。

・決済が行われた店舗の情報を取得し、取得した情報を利用することは可能でしょうか?
特定のユースケースがあるのかもしれませんが、BtoBtoCのアグリゲーター的なモデルの場合、自社で決済情報はすでに持っていると思うので、PayPayからのデータ提供は不必要かと思います。ただ、他のPayPayの加盟店でのユーザーの決済情報を提供できるかという点については、提供できない、というのが回答になります。

・ミニアプリでゲームなどをリリースする場合、アドネットワークなどを表示することは可能でしょうか?
これは特化した質問ですね。PayPayミニアプリでは現在対応しておらず、今後も非推奨です。理由は、アプリのストア側の規定を違反してしまうためです。

・デジタルコンテンツをミニアプリ上で提供できないと思いますが、どういったコンテンツが対象になりますか?
電子書籍、ゲームなどが該当します。

・ミニアプリとPayPayの間で、どのような認証方式が利用されていますか?(例えばOICDなど)
認証の観点では、pp.getUAIDというものを提供しますので、これによってjwsのトークンを渡します。このjwsのトークンを返すと、PayPayのバックエンド側と認証することができます。これが、ミニアプリで行われる認証になります。

認証方式

・支払方法はミニアプリ側から指定して、PayPay残高やクレジットカードなどのハーフウィンドウを表示することは可能でしょうか?
現在のところ、オンライン決済で選択できるのはPayPay残高のみとなります。新しくオンライン決済で利用できる決済方法が登場すれば、それを指定することができるようになるかもしれません。

ミニアプリの事例が知りたいあなたに!

3回目イベント画像ve4

YJキャピタルでは、ミニアプリ開発に特化したプログラムであるPayPayアクセラレータープログラムをPayPay、East Venturesと共同運営しています。
11月25日(水)第三弾イベントとして、WeChatやAlipayなど、最もミニアプリの活用が進む中国のミニアプリ事例を紹介するプレイベントを開催します。
ご興味ある方は、ぜひ次回イベントもご参加ください!

■概要
WeChat、Alipayをはじめとした中国のミニアプリのユースケースを、中国出身のキャピタリストである李からご紹介します。
現在のPayPayのミニアプリにはPayPayモール、PayPayピックアップやフードデリバリー、金融サービスがありますが、中国ではどんなサービスが増加しているのか、中国の事例を基に解説していきます。

■申し込み方法
以下URLよりお申し込みください。お申込みいただいたメールアドレスまで、イベント参加用URLを送付いたします
https://zoom.us/webinar/register/WN_TaEAH0ZbSw-ZEx_02qROsw

「PayPay Accelerator Program」について

画像17

「PayPay Accelerator Program」は、PayPay、YJキャピタル、East Venturesの3社が協同で提供するプログラムで、参加するスタートアップ企業に対し、PayPayによる技術的支援とYJキャピタルおよびEast Venturesによるビジネス面におけるメンタリングサポートを行います。参加対象となるスタートアップ企業は、業種は問わず、アーリーステージ(※1)の企業が対象で、本プログラムで完成したプロダクトを全国で3,300万人以上(※2)が利用する「PayPay」のミニアプリとして提供(※3)できます。

PayPayは、10月26日より開発者向けツール「PayPay for Developers」上でミニアプリに関するオープンAPIの提供を開始しました。オープンAPIを公開するだけでなく、「PayPay Accelerator Program」を提供することで、スタートアップ企業の先進的な技術、斬新なアイディアとのシナジーで、ユーザーの生活をもっと豊かで便利にする「スーパーアプリ」化を促進するようなミニアプリの提供、拡充を目指します。

<ミニアプリに関するオープンAPI提供開始について>
https://about.paypay.ne.jp/pr/20201026/01/

募集内容およびスケジュール、参加企業への特典などの詳細はプログラム公式HPをご覧ください。

<プログラムHP>
http://accelerator.paypay.ne.jp/

※1 自社提供のプロダクトがすでにある、シリーズA以前のスタートアップ企業を主な対象としています
※2 アカウント登録を行ったユーザーの数です。(2020年10月19日時点)
※3 企業が自社サービスをミニアプリとして提供を開始するためには、「PayPay for Developers」で加盟店登録を行い、所定の審査に通過した場合のみ可能です。また、本プログラムにおいては、最終成果報告会において承認されたサービスにつき、ミニアプリとして提供を開始する予定です。