COUNTERWORKSへの投資
By 内丸拓
Z Venture Capital株式会社(以下、ZVC)は、商業施設のオンラインリーシング支援SaaSや、ポップアップストアの出店支援プラットフォームを提供する株式会社COUNTERWORKS(以下、COUNTERWORKS)のシリーズCにリード出資します。
【COUNTERWORKSとは】
広大な敷地に大きな店舗が立ち、数多くのテナントが並ぶ。若者に人気のファッション店、老若男女に好まれるブランド店、つい立ち寄りたくなる均一価格店など…実は、私たちが「商業施設」と聞いてイメージするこの姿を実現することは容易ではありません。
今回、ZVCが出資する「COUNTERWORKS」は、商業施設側とテナント側双方が持つ課題を解決するサービスを提供するスタートアップです。
(COUNTERWORKSでは、簡単に商業施設やマルシェなどの出店スペースを検索することができます)
COUNTERWORKSが展開する事業は主に「SHOPCOUNTER」と「SHOPCOUNTER Enterprise」があります。「SHOPCOUNTER」は、コロナでリアル店舗の出店が減少した期間を乗り越えて、日本最大級のポップアップストア出店支援プラットフォームへと成長しています。
また、「SHOPCOUNTER Enterprise」についても、マルイ、イオンタウン、ルミネなど大型商業施設へ導入が進んでいます。
【起きている市場の変化】
いま、消費者の購買活動はリアルからオンラインへとシフトしています。
コロナ禍を経て、オンライン化の流れは更に加速しています。経済産業省が発表した「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると物販のEC化率は、2022年時点で9.1%となり、2013年の3.9%と比較して大きく伸長しています。
また従来の店舗ではなく、オンラインから直接消費者に販売するD2Cというモデルも登場し、2010年代後半から大きなトレンドとなっています。
これまでの市場の変化により、リアルな売り場を提供していた商業施設は危機に瀕しました。この危機に対応するために、商業施設は店舗をただ「モノを売る場所」ではなく、「イベント・ショールームの場所」としての活路を見出し、消費者が足を運びたくなる場へと変革してきました。
例えば、大手商業施設のマルイは「イベントフルな店」「売らない店」を中期経営計画の柱としており、店舗面積構成比をFY2026までに70%に引き上げる目標を掲げています。イベント・ショールーム型の店舗へと転換するためにも、代わり映えしないテナント構成ではなく、新規テナントへの接点の創出が求められるようになっています。
一方、テナント獲得の肝であるリーシング業務は出店意向のないテナントへのアプローチも多く、非効率な業務となっていました。また、テナントの開拓も代理店や個人的な繋がりで行うことが多く、新しいテナントの設定を十分に作れないことも少なくありません。
こうした問題を課題として感じていたのは商業施設側だけでなくテナント側も同じです。オンラインをメインで展開していたブランドも顧客獲得コストの高騰やサードパーティCookieの段階的な廃止によって、オンラインのみでの販売に限界を感じ始めています。
しかし、リアルな店舗に出店しようと思っても、テナント側には商業施設との接点を持っていることは少ないので、「何を見ればいいのか分からない」「どうすればいいのか分からない」と感じることが多いのです。
【キャピタリストの視点】
市場の変化で述べたようにいま起きている課題に対して、COUNTERWORKSは商業施設側とテナント側双方の課題を解決するために求められているサービスを提供しています。
冒頭に紹介した「SHOPCOUNTER」は、足元でも継続率/ 成約率等のKPIが素晴らしい実績を示しており、商業施設とテナントの双方にとって刺さるサービスを提供できていると判断しました。また「SHOPCOUNTER Enterprise」の導入企業数はまだ限定的であったものの顧客へのヒアリングを通してペインに深く刺さっていることが確認でき、これからの急成長の可能性を感じました。
終わりに、YJ1号から支援させて頂いた株式会社フリークアウト・ホールディングスの一人目の社員が三瓶さん(当社CEO)だったというご縁もありました。長年当領域に取り組んできた三瓶さんと薮本さん(当社CFO兼COO)の2人を中心とした素晴らしいチームだからこそ、商業施設とテナントが抱える課題を解決していけると信じています。
商業施設のデジタル化を推し進めるCOUNTERWORKSのチャレンジをご支援できることをとても嬉しく思います!ZVCのノウハウを総動員して、これからのチャレンジを支援していきます!またCOUNTERWORKSのビジョン達成のためには新しい仲間が必要です。少しでも興味がある方はぜひこちらからご応募ください!