Visual Bankへの投資
by 湯田将紀
Z Venture Capital株式会社(以下、ZVC)は、⾼品質で権利クリアなビジュアルデータを提供するVisual Bank株式会社のシリーズAに出資します。
Generative AIの登場により、画像や映像コンテンツの世界は、大きな変革期を迎えています。クリエイターの作業は劇的に効率化され、さらには企業や個人、様々なシステムから新たな創造主体が誕生し、アイデアが湧出される時代が幕を開けようとしています。
テキストによる対話型AI、「Chat GPT」のような技術が先駆けて社会に受け入れられつつある一方、商業的な画像や映像コンテンツの利用には課題が残っています。背景には、学習データ素材の収集や権利許諾に一定の障壁があること、データガバナンスが未構築であることなどが挙げられます。
こうした課題を解決するのが、今回ZVCが出資する『Visual Bank』です。
Visual Bankは、国内最⼤級のストック素材販売サイト「アマナイメージズ」が持つ強みを元に、画像、映像データを安全でかつ、テクノロジードリブンに利用可能とするプラットフォームを構築しています。
自社オリジナルの画像、映像素材によるデータセットの開発に加え、行政や出版社といったステークホルダー、生成AIツールとの連携によって、漫画キャラクターなどの多様なIPの活用やAIの学習データ素材の収集、権利許諾の問題を解決し、クリエイターが容易に質の高いコンテンツを創出できる世界の実現を目指しています。
法律、伝統的な産業におけるネットワークと信頼、テクノロジーという要素が複雑に絡み合う領域で事業を構想し、実行できるチームは多くありません。代表の沼澤さんはメディア領域のシリアルアントレプレナーであり、画像、映像データへの深い理解と実行力を兼ね備えた人物です。
約10年前。沼澤さんがヤフーに勤めていたときに、私自身、彼と共に働いたこともあり、このような形で再会できたことを嬉しく思います。
ZVCはVisual Bankと共に、ビジュアルコンテンツ産業の未来をアップデートしていきます。